先日施工させていただいた現場の話です。
倉庫のリフォームを検討されているということでお問い合わせをいただき、
屋根の葺き替え工事をさせていただきました。
お問合せをいただいた少し後に、
「令和4年度 徳島市 瓦屋根耐風対策支援事業」が開始されたので、
この補助金を活用し、工事を行うことになりました。
↑のブログにもまとめておりますが、
昨年の1月より、瓦屋根の緊結方法に関する基準が強化されています。
そして、新基準に適合しない瓦屋根の耐風改修工事に対して、
国の方では令和3年度より「住宅・建築物安全ストック形成事業」という補助制度が設けられています。
この制度を受け、徳島市でも令和4年度より「瓦屋根耐風対策支援事業」が開始されています。
今回は、徳島市の補助制度を活用し、①耐風診断と、②耐風改修工事を実施致しました。
① 耐風診断
まず、耐風診断についてですが、
新基準では、↑の図の右側の様に、全ての瓦が緊結対象になっています。
ですので、耐風診断では、新基準に則り、全ての瓦が緊結されているかチェックしていきます。
↑ 今回の既設瓦は、和型スレートになります。
【平部】
↑ 平部の桟瓦は、全数釘留めされていました。
【軒部】
↑ 軒部の軒瓦は、全数釘留めされていましたが、2点留めでした。
【けらば部】
↑ けらば部の袖瓦は、全数釘留めされていましたが、2点留めでした。
それと、釘の浮きがみられました。
【棟部】
↑ 棟部の冠(丸)瓦は、全数緊結されていましたが、ねじではなく、銅線での緊結でした。
↑ 冠(丸)瓦を取り外した状態です。
棟部ののし瓦は緊結されていませんでした。
以上が各部位の状態です。
改修が必要な部位として「軒部・けらば部・棟部」が挙げられます。
当時の施工方法としては、これが標準であったものの、現在の新基準は満たしませんので、
「耐震性・耐風性を確保するためには改修の実施が望ましい」という診断結果となります。
② 耐風改修工事
この結果を受けて、耐風改修工事を行いました。
新基準に適合した施工方法にて葺き替えを行います。
新設瓦は、淡路産の日本瓦です。
それでは、工事の様子をまとめましたの、ご覧下さい。
↑ 既設瓦の撤去中です。
↑ 下葺き材のルーフィングを2重張りし、瓦桟を施工したとこです。
↑ 軒部の軒瓦の留付け状況です。
尻部(上端重ね部) 2箇所は釘で留付け、右側端部は7形釘で補強しています。
↑ 平部の桟瓦の留付け状況です。
釘で全数留付けています。
↑ けらば部の袖瓦の留付け状況です。
軒と同様に、尻部2箇所は釘で留付け、加えてパッキン付ビスで補強しています。
↑ 棟部ののし瓦の固定状況です。
左右ののし瓦を緊結線で留め付けています。
↑ 棟部の冠(丸)瓦の固定状況です。
冠瓦は棟心材に、パッキン付ビスで全数留付けています。
棟部の納まりは、↑の様になっています。
・ 棟金具(棟補強金物)を屋根下地に固定
・ 棟心材を棟金具に固定
・ のし瓦の左右を緊結線で留め付けて固定
・ 冠瓦を棟心材にパッキン付ビスで留付け
地震や台風で被害の無い様に、新基準に則り、のし瓦も冠瓦もしっかりと留付けられています。
↑ ちなみに今回の現場では、松皮(まつかわ)のしも使用しています。
本棟に2段、隅棟に1段積んでいます。
松川のしを入れることでアクセントになり、屋根の表情ががらりと変わります。
↑ ビフォーアフターです。
いかがでしたでしょうか。
今回の現場では、和型スレートから日本瓦に葺き替えさせていただきました。
工事のご依頼をいただき、誠にありがとうございます。
冒頭で述べた様に、今回はタイミングよく、
徳島市の「瓦屋根耐風対策支援事業」の補助制度を活用することができました。
上限はございますが、補助率が工事費の23%という、
瓦屋根の耐風改修を検討されている方は必見の補助制度になっております。
残念ながら、今年度分の受付は終了してしまっておりますが、来年度も引き続き補助制度はある予定です。
また情報が分かり次第、ご案内させていただきますので、是非ご検討・ご活用下さい。
補助制度についてご不明な点がある方、また点検や葺き替えをご希望の方は、お気軽にお問合せ下さい。
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