瓦葺き替え!補助金を活用し金属屋根へ!

先日施工させていただいた現場の話です。

徳島市の瓦屋根耐風対策支援事業を活用し、
屋根の耐風改修(葺き替え)工事をさせていただきました。

① 耐風診断

葺き替えに先立ち、耐風診断を行いました。
耐風診断の詳細は、↓の記事をご覧下さい。


今回は、改修が必要な部位として「軒部・けらば部・棟部」が挙げられます。

当時の施工方法としては、これが標準であったものの、現在の新基準は満たしませんので、
「耐震性・耐風性を確保するためには改修の実施が望ましい」という診断結果となります。

② 耐風改修工事

この結果を受けて、耐風改修工事を行いました。

今回は「軽い屋根が良い」というお客様の要望で、
縦葺き金属屋根の「嵌合立平(かんごうたてひら)」に葺き替えていきます。
↓の写真の様な屋根材です。



耐風改修工事支援事業の補助要件の中に、
「瓦屋根の全面を次に掲げる事項のいずれかに適合する屋根に改修するもの」
という要件があります。
↓の赤枠で囲っている部分です。

徳島市瓦屋根耐風対策支援事業 耐風改修工事支援事業 別表第1 より抜粋


瓦に葺き替える場合は、
「ア」の新基準に適合した緊結方法にて、
今回の様に金属屋根の場合は、
「イ」の緊結方法にて葺き替えを行います。

「イ」の
「平成12年5月31日建設省告示第1458号」
とは、
「屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件」
という内容の告示になります。

この告示に示された計算方法にて、お客様の住宅に当てはめて計算をしていきます。


↑の図の様に、お客様の住宅の条件にて、屋根ふき材に対する風圧力を求めます。
図の右下の部分です。

続いて、
本体留め付けビスのメーカーが行っている引張強度試験データに基づき、
・25㎜のビスを
・厚み12㎜の合板に
・600㎜のピッチで
留め付けた場合の引抜き強度を計算すると、

ビス1㎡/1本当りの引抜き強度は、2030.3N/㎡となり、
先程求めた風圧力と、ビスの引抜き強度計算結果を比較し、強度計算上問題ないと言えます。

また、
立平本体の強度につきましても、鋼板メーカーが行っている耐風圧性能試験によると、
今回の風圧力に対して安全上支障のない試験結果となっております。

これらの計算結果に基づき、耐風改修工事を行っていきます。
それでは、工事の様子をまとめましたの、ご覧下さい。

↑ 施工前の様子です。

↑ 既設瓦を撤去していきます。
 既設瓦は、スレート瓦です。

↑ 既設瓦を撤去したところです。
 下地は枌(ソギ)葺きです。
 今回は雨漏りはしていませんでしたが、
 雨水が侵入している箇所は、枌が湿って黒っぽくなっています。

↑ 枌の上に、合板を張っていきます。

↑ 合板の増し張り完了です。

↑ その上に、下葺き材のルーフィングを張ったところです。

↑ 軒先・けらば部に唐草を取り付けます。

↑ 立平本体を荷揚げしていきます。

↑ 本体をビスで留め付けていきます。
 先程の計算結果のピッチ以下で留め付けます。

↑ 本体留め付け用のビスです。

↑ 本体を片面葺き終わったところです。

↑ 棟包も取り付けて、大屋根の施工完了です。

↑ 雨押え水切も取り付けて、下屋の施工完了です。

↑ 全景です。


それでは続けて、ビフォーアフターの写真をご覧下さい。

↑ 診断時に確認した部位のビフォーアフターです。
 まずは、大屋根の平部です。

↑ 大棟部です。

↑ 隅棟部とけらば部です。

↑ 全景①です。

↑ 全景②です。

いかがでしたでしょうか。
今回の現場では、スレート瓦から金属屋根の嵌合立平に葺き替えさせていただきました。

冒頭でも述べた様に、
今回は、徳島市の「瓦屋根耐風対策支援事業」の補助制度を活用することができました。
上限はございますが、補助率が工事費の23%という、
瓦屋根の耐風改修を検討されている方は必見の補助制度になっております。

徳島市の分も含めて、今年度の支援事業につきましては、
↓の記事にまとめておりますので、ご覧下さい。


補助制度についてご不明な点がある方、
また点検や葺き替えをご希望の方は、お気軽にお問合せ下さい。

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